〜「若々しいカラダづくりのために」〜”糖化”に注意!!

衛生士の渡邊

受付の坂本です。コロナの影響による自粛生活が続いてますね。以前とは違う生活に疲れが出ている方も多いのではないでしょうか。私は疲れてくると、大好きな甘い物を沢山食べてしまいます。しかし食べた後に肌が黄色くくすんだり、だるくなることに気付いてからそれが何故なのか気になり、調べていくうちに「糖化」という言葉を知りました。家で過ごす機会も増えた今、食生活が乱れがちな方もいらっしゃるかと思い今回の特集記事のテーマにしました。

からだの「糖化」とは?

最近鏡を見て顔がたるんできた、くすんできたなどと気になることはありませんか?シミ・シワなどが多く、年齢より老けて見られている方、もしかしたらからだが「糖化」しているサインかもしれません。

「糖化」とは、タンパク質と糖質が結びつく反応により、タンパク質が劣化することです。ヒトの皮膚・髪の毛・筋肉・骨・血管・臓器などの多くはタンパク質でできているため、そのタンパク質が劣化することは老化に直結します。糖は体のエネルギー源として欠かせませんが、過剰摂取はからだに悪影響を与えます。糖の濃度が下がれば、タンパク質に付着した糖は定着することなく離れ、元の状態に戻る事ができます。ところがタンパク質が高い濃度の糖に長い時間さらされると、「AGE(エイジーイー・終末糖化産物)」*と呼ばれる老化を促進する悪玉物質が大量に産出されるのです。(*AGEは加齢によって蓄積することから、age(エイジ・加齢)にちなんで名付けられました。)

AGE化すると元の正常なタンパク質に戻ることは出来なくなってしまい、自体の機能を低下させるだけでなく、周りの細胞へも攻撃を始めます。

AGEを含む食事をしたとしてもその大半は消化のプロセスで分解されるため、1回の食事ではAGEの摂取量はそれほどではありませんが、AGEが多く含まれる食事を続けてすることでAGEがからだに蓄積していきます。AGEの蓄積量は、糖の量がどれだけ多いか、どのくらい長い時間タンパク質が糖と一緒にいたかで決まるのです。(AGE量=血糖値×持続時間)

AGEは体にどんな影響を与える?

〜血管・内臓・骨・目・脳や外見など様々なところに悪影響を及ぼします〜

動脈硬化…「人は血管とともに老いる」と言われますが、この血管もタンパク質で作られています。血管のコラーゲン線維がAGE化すると、血管はしなやかさを失い硬くなって機能を低下させてしまいます。そのため動脈硬化のリスクが高まり、それが進行すると心筋梗塞、脳梗塞の原因となります。発がんやがんの転移にもつながるそうです。

腎臓病…腎臓は体内を巡って老廃物を含んだ血液をろ過して尿を作ります。ろ過する膜はタンパク質で出来ているため、これが糖化して本来の働きを失ってしまうと腎機能が低下してしまいます。すると血液中のたんぱく質が尿に漏れ出すことで、尿たんぱくの症状が出てしまいます。

骨粗鬆症…骨もコラーゲン線維なので、骨が糖化するともろくなり骨折しやすくなります。

白内障…目のレンズに当たる水晶体のタンパク質、クリスタリンが糖化すると褐色を呈して濁り、白内障になります。

黄ぐすみ・たるみ・シミ・シワなど…分かりやすく出てくるのが”見た目の老化”だと言います。糖化によって肌のハリを保つコラーゲン繊維が破壊されると肌は弾力を失ってしまいます。肌の色が徐々に黄褐色に変化してくすみが生じ、弾力性が失われてたるんでいきます。また、髪の毛のハリとツヤも失われていくのです。

アルツハイマー病…健常な高齢者の脳と比べて、アルツハイマー病患者の脳には約3倍のAGEが蓄積されていたという報告もあります。また糖尿病患者は腎臓や目の細い血管がAGEによってもろくなってしまうため、合併症になる危険性が高まってしまいます。

〜食生活改善で抗糖化!〜AGE対策として食生活の3つのポイントがあります。

①食品からAGEを出来るだけ摂らない

高温な調理法ほど食品中のAGEは増えます。タンパク質と糖がくっつくには熱が重要な役割を果たしているからです。
生→蒸す・茹でる→煮る→焼く→ 揚げる
という順でAGE量は多くなります。例えば、茹でた鶏肉を基準とした場合、同じ量の焼き鳥のAGE量は6倍、唐揚げは10倍にもなるそうです。

同じ食品でも調理法を変えるだけでAGE量を抑えることができるので、蒸したり茹でたりする調理の食事を今より少し増やしてみてはいかがでしょうか。また、高温調理で特にAGEが増えやすいのが肉や魚・チーズ・卵などのタンパク質が多い食品です。どうしても揚げ物や焼き物が好きな方は、酢やレモンに含まれるクエン酸が食品中のAGEを減らす働きがあるので、マリネしてから焼くなどするのがオススメ!ただ焼くだけよりもAGEが抑えられるそうです。(ウーマンスタートビューティーまきた先生)

糖化(AGE化で起きる老化と病気の関係)

②ビタミンB群・抗酸化物質・ポリフェノール・カテキン・イソフラボンを積極的に摂る

ビタミンB群・抗酸化物質・ポリフェノール・カテキン・イソフラボンを積極的に摂る

食品ではキノコ類にビタミンB群が豊富に含まれています。特にビタミンB1とB6は抗AGEビタミンの体表格なのでサプリメントで補うのも◎。緑黄色野菜に含まれるαリポ酸や、ワインに含まれるポリフェノールは、糖化や酸化を防ぐ作用があります。また、緑茶のカテキンの作用で血糖値の急上昇や高血糖状態が長く続くのをおさえてくれます。大豆のイソフラボンも糖化を防ぐ働きがあるため、豆乳+きな粉+緑茶粉末のドリンクなどが美味しく飲めておすすめ。飲み物では他にも、甜茶・ドクダミ茶・ルイボスティーに強い抗糖化作用があります。

③糖質を制限する

もっとも避けるべきなのがブドウ糖・砂糖・果糖などの単純糖質です。これらはすぐに体内に吸収されて血糖値を急激に上げ、AGEを作り出してしまうからです。チョコレートやアイスクリーム、おまんじゅうなどの和菓子、ケーキやクッキーなどの洋菓子、また清涼飲料水の摂り過ぎに注意が必要です。また虫歯菌は糖が大好きです。糖質がエサとなり虫歯をつくり、大切な歯を蝕んでしまいますので、皆さんの大切な歯を守るためにも糖質の制限は必要かもしれませんね。

あれもダメこれもダメと言われると「じゃあ何を食べればいい?」「これでは何も食べれない」と思いがちですが、完璧にやる必要はありません。どんな人もそれは難しいからです。AGEを取りすぎているかもしれない..と思った方は「今より少しだけ減らす」ことを意識してみてください。実践してみると、まずはお肌の調子から以前との違いが出てきますよ!!

糖化(AGE化で起きる老化と病気の関係)

参考文献:老けたくないなら「AGE」を減らしなさい~カラダが糖化しない賢い生活術/「老けないカラダ」になる50の知恵/黒ガリンLIFE/WOMANSMARTより