お口も健康にする「栄養」の摂りかた

衛生士の渡邊

衛生士の渡邊です!皆さん毎日3食バランス良く食べられていますか? 偏った食事は健康に悪いことは知っているかと思いますが、歯科の観点からみても栄養の摂り方によってお口の中にも色々な影響があるんです。

全身の健康の為にもお口の為にも、一度見直す機会になれば嬉しいです!

むし歯と栄養の関係

甘いもの、糖質が多いものはむし歯菌の栄養となるので、むし歯を作る原因の1つになることはみなさん知っていますよね。むし歯とは、細菌が糖質を エサにして「酸」を作りそれにより歯が溶かされてしまう疾患です。

もちろん原因はそれだけではありませんが糖質の摂り方は大きく関係しています。またそれ以外でも、 歯科治療をする際、甘いものがやめられた患者さんは炎症が抑えられるため、痛みを感じにくいと言われています。痛みを感じやすい方は、そういった意味でも甘いものをやめることがお勧めです。

わかっているけど甘いものはなかなかやめられない…といった方は多いと思います。
では、なぜ甘いものはなかなかやめられないのでしょうか?

血糖値が乱高下するため

糖質の多い食べ物を摂取すると血糖値が急上昇します。血糖値が急上昇すると、膵臓からインスリンが多量に分泌されて、今度は血糖値が急降下します。この時、眠気やだるさを感じたり、集中力の低下などが起きます。

そして低血糖となると体にとっては危機的な状況になるため、一生懸命血糖値をあげようとしてまた糖質をとる、というループに陥ってしまいます。

血糖値の図

カンジダ菌による影響

カンジダ菌

カンジダ菌はエネルギー源として糖質を消費するので、低血糖を起こします。そして血糖調節障害を起こすので、自律神経の乱れが起き、イライラや落ち込みなど感情の起伏が激しくなります。低血糖になると甘いものが欲しくなりますが、実は腸内のカンジダ菌が脳に指令を出して甘いものを要求している、とも言われています。

甘いものがなかなかやめられない人はどうしたら良い?

タンパク質の必要量をしっかりと摂ること

たくさん食べているようでも実は足りていないことが多いのがタンパク質です。成人の場合、体重 (kg) × 1.0~1.2g のタンパク質が毎日必要です。50kgの人なら50~60gのタンパク質を毎日食べないと不足してしまいます。タンパク質が足りてくると甘いものへの欲求も徐々に減ってくるそうです。

例えば…赤身の魚、赤身の肉、卵、大豆、乳製品など

糖分我慢

赤身の魚、赤身の肉、卵、大豆、乳製品など

さらに、タンパク質+ビタミンやミネラルがしっかりと摂れていると 安心ホルモン、元気ホルモン、幸せホルモン、睡眠ホルモンが体内で作られます。ビタミンやミネラルは積極的にとっている人が多いのですが、元となるタンパク質がしっかりと摂取されていることが大事です!

歯周病と栄養の関係

主にカルシウム/ビタミンC/ビタミンDの3つの栄養素が関係します。また、歯肉は約60%がコラーゲンでできています。

ですがコラーゲンそのものを食べたからといってそのままコラーゲンになるわけではなく、コラーゲンを作り出す栄養素であるタンパク質/ビタミンC/鉄を摂らないと、体の中で構成されません。

コラーゲン不足を見つける簡単check!を見てみましょう!

爪が柔らかかったり、反り返っているスプーンネイルの人はコラーゲンの材料である3つの栄養が不足している可能性が高いです。特にスプーンネイルは鉄不足の方に多いです。

例えば…赤身の魚、赤身の肉、卵、大豆、乳製品など

スプーンネイル

さらに…口内炎の対策に!

口内炎

矯正治療をしているとどうしても口内炎ができやすくなりますよね。もともとできやすい方は栄養の取り方にも目を向けて見ると良いかもしれません。口内炎に役立つ栄養素としてビタミンB群/ビタミンC/ビタミンA/亜鉛があります。
(粘膜のためコラーゲンも必要です)

しっかりと栄養素をとることにより、口内炎の治癒が早くなったり、その後もできにくくなります。

まごわやさしいを知っていますか?

バランスの良い食事の覚え方として、「まごわやさしい」というものがあります。1日の中でこの食品を1回は取り入れるようにすると、栄養のバランスが取りやすいと言われています。また歯科の観点から見ても、これらは噛みごたえのある食品が多いのでよく噛むことで顎の成長にも繋がります。健康な歯や歯肉を作るために必要なタンパク質を多く含んでいたり、カルシウムの吸収を助けるビタミンDを含んでいるなど歯の健康にとっても良い役割を果たします!

まごわやさしい

豆 :高タンパク/ビタミン/食物繊維

ご 胡麻 :タンパク質/食物繊維/カルシウムなど

わかめ(海藻) :タンパク質/ビタミン/ミネラルなど

野菜 :ビタミン/ミネラル

魚 :タンパク質/鉄分

しいたけ(きのこ) :ビタミン/食物繊維

いも類 :炭水化物/糖質/ビタミンCなど

まごわやさしい

どうでしたか?今までの食事を大きく変える、というよりは、足りないものを少しプラスする、といったようにまずは気軽に取り入れてみてくださいね。私もこれを機に不足していそうな栄養素に目を向けて、日々の食事を考えてみようと思いました!食べるときには足をしっかり床につけて、姿勢良く食べることもお忘れなく~♪