「一浩と栄里子のあたしんち」 第82回「お客様は神様です」

テレビ番組を見ていたら「カスハラ」についての特集をやっていました。
「カスハラ」って、なんだと思ったら「カスタマーハラスメント:Customer Harassment」のことらしいです。

聞いたことがない内容でしたが、意味としては顧客がその立場を利用して不条理や理不尽なクレーム、言動をすることらしいです。
確かに銀行などで、たまに大声で職員に怒鳴っている人を見たことがあります。相手が絶対に反撃してこないのをいいことに、鬱憤(うっぷん)をぶちまけているようです。職員もかわいそうですが、周りの人を不愉快にさせます。相手の弱い立場を利用した行動で、非常に卑怯な行為だと思います。

誰だって気持ちよく仕事をしたいですが、たまには失敗もトラブルもあります。それに対してクレームを言うのも当然の権利ですが、クレームを言われたら、それに対して企業側も再発防止策を練って健全にしていく必要があるかと思います。

当院でも、院長である私が全責任を負って運営しているのですが、言いやすいのか苦情は受付に言われることが多いようです。
クレームや苦情なら対応できるのですが、Harassment となると安全配慮義務に基づき私には社員を守る義務があるようです。クレームも度が過ぎるとHarassmentになるということらしいです。

私はパイロットでもあり、長く飛行機の操縦をしてきました。飛行機のオーナーには個性的な人が多く、中にはワンマン社長的な方も少なくありません。そのワンマンな振る舞いで整備会社に理不尽なクレームをつける方もいます。
遠目でみていると、整備会社も気持ちよく仕事をしたいのは当たりまえです。そのため、そのようなオーナーさんは、なんだかんだ理由をつけて注文を断られている光景を目にします。

テレビ番組では「お客様は神様です」という言葉が間違って認識されているとも言っていました。
「お客様は神様です」という言葉は昭和の国民的歌手・故、三波春夫(みなみはるお)さんの名言です。
三波さんの公式サイトでは、「お客様は神だから徹底的に大事にして媚びなさい。何をされようが我慢して尽くしなさい」という意味ではなく、三波さんは歌を歌う時は“雑念を払って澄み切った心で歌う”という心構えで、神の前で歌う気持ちで歌っているという意味なのだそうです。

それを勘違いしてお客だからと上から目線で対応していると「カスハラ」になってしまうのではないかと思います。私もお客としての立場になった時には業者に対して「お客様は良きビジネスパートナー」となるようなカスタマーになりたいと思う次第です。

院長 福増一浩