病気にならないために!鼻づまりを改善しよう!
歯並びを悪くしたり、お口ポカンで顔の締まりが悪くなる口呼吸!
悪いと分かっていてもどうして 口呼吸になってしまうのでしょう。
日頃のクセによるものもありますが、元々は鼻づまりから息苦しさを感じ、そこから口呼吸が習慣化し、体内でも呼吸の不調和が生じてしまうからです。
今回の特集はコロナ禍の中、WEB講演会で聞くことができた“トップアスリートが実践し、喘息の改善に効果のある”「ビューテイコ呼吸法」の伝道者Patrick Mckecown先生のお話を元に、
口呼吸の負のスパイラルについて紹介し、鼻呼吸獲得への励みになってもらえたらと思っています。
呼吸とは
歯呼吸とは体内での酸素と二酸化炭素の交換です。
身体に届けられる酸素は、どれだけ肺に酸素が取り込まれたかではなく、体内の二酸化炭素の量に関係します。
二酸化炭素が少なければいくら酸素を取り込んでも、体内での酸素の受け渡しは行われずに酸素はそのまま素通りしてしまいます。
組織や細胞に酸素の受け渡しが上手くできなければ酸欠状態が続くので、脳は呼吸を促します。
そして呼吸によって更に二酸化炭素が排出されてしまうと、身体は気管支痙攣や血管痙攣を起こして二酸化炭素が奪われてしまわないように抵抗します。
つまり二酸化炭素が十分でない状態では酸素をいくら取り込んでも無駄で、しかも二酸化炭素不足だけでなく酸素不足にも陥ってしまうのです。
酸素不足になると身体は血管を収縮させ、何とか血液を流して細胞を救おうとします
使える酸素量を増やすには?
二酸化炭素の量が減ることによって体は酸素を必要とし、血中の二酸化炭素量が増えることで筋肉や臓器に送られる酸素量も増えるので、供給可能な酸素量は体内の二酸化炭素量によって決まります。
つまり→”呼吸量を減らす”ことで体内の二酸化炭素が増え、体内で活用される酸素量を増やすことができるということです。
口呼吸のきっかけは
鼻炎や鼻中隔湾曲、アレルギー、扁桃肥大やアデノイド肥大などによる上気道の狭窄が鼻づまりを起こし、口呼吸を促します。
しかし、耳鼻科での治療によりこれらの要因を取り除いた後でも、鼻呼吸の習慣が備わっていないと73%は口呼吸のままだそうです。
口呼吸を促す負のスパイラル
そして、口呼吸が習慣化すると鼻の血管が炎症を起こして腫れ上 がります。粘液の分泌も増え、鼻詰まりのような不快感が生まれます。
その不快感のせいでさらに鼻呼吸を避けるようになり、口呼吸を促す負のスパイラルが起こるそうです。
鼻呼吸で気道を拡張!
反対に鼻呼吸をすると気道を広げることができます。
副鼻腔で生成された一酸化窒素は気管支や肺に拡散し血管拡張作用や、気管支拡張作 用を起こします。口呼吸者は鼻呼吸者と比較して気道の一酸化窒素レベルが低いそうです。
鼻詰まりを解消するためにも鼻から呼吸をして一酸化窒素を増やすことが大切なのです
一酸化窒素とは・・・
一酸化窒素は、鼻腔と血管内の内皮細胞によって生成され る気体分子であり、循環機能を調整する役割を持ちます。
一酸化窒素には、動脈を取り囲む筋細胞(平滑筋)を弛緩させる機能があり、これが血管の拡張を引き起こします。
結果として動脈内の血圧が低下し、拡張した動脈を通じて、すべての臓器への血流量が増加します。
血管の拡張効果は高血圧や動脈硬化の予防など健康の維持に重要な効果があります。
鼻から息を吸うだけで、鼻粘膜で生成された一酸化窒素ガスも一緒に吸い込まれ、一酸化窒素が肺に入ると、気道が広がり、全身的に良い影響が得られるわけです。
ウイルス不活化にも有効
さらに、一酸化窒素はウイルスを不活化し、気道感染を減らすのに役立つ可能性があり、気道からのほこりやウイルス粒子の除去を高めることもできます。
呼気の一酸化窒素の基礎レベルが高いほど、風邪をひきにくくなるそうです。
鼻呼吸をすると空気飢餓感があり、苦しくて鼻呼吸を継続できない場合、鼻づまりや口呼吸を改善 するためのトレーニングがあります。
30秒程度、息をこらえたり、腹式呼吸で浅い静かな呼吸を続けることで一酸化窒素を増やし、鼻づまりを改善へと導きます。また、ハミング(鼻歌)をする と、鼻で生成される一酸化窒素量が平常時の15倍にもなるそうです。
口呼吸は過呼吸を促します
過呼吸の症状は、呼吸が速くなり、過換気の状態に加え息をしづらい、息苦しい、胸の痛 みやめまい、動悸などの自覚症状があります。
さらに症状が進むと手足がしびれたり、筋肉がけいれんしたり、収縮して硬直したりします。これは過呼吸により体内の二酸化炭 素量が不足して起きる症状です。
過呼吸の症状を緩和するには、意識的に呼吸を遅くしたり断続的に呼吸を止めて、体内の二酸化炭素量を増やすことを行います。
二酸化炭素量が増えることで血液の酸素量を増やし、過呼吸を改善します。
ぜんそくの症状も呼吸量が関係
【喘息の症状】
・血中の二酸化炭素濃度が下がる
・口呼吸になり、一酸化窒素の利点を生かせなくなる
・赤血球が酸素を手放さなくなり、体の隅々ま で酸素がいきわたらない
・血管と気道の平滑筋が収縮 ・血液のpH値が異常になる
・運動中に筋肉や臓器に酸素が行き渡らない
・運動中に酸化が促進され、疲労がたまる
・運動パフォーマンスが制限される
・全体的な健康状態が悪化
現在のライフスタイルの影響で、喘息患者は増えているそうです。”呼吸量を正常に戻すこと”でこの悪循環から抜け出すことができます!口呼吸から鼻呼吸に変えましょう!
★鼻呼吸に慣れていくためには毎日のトレーニングが必要です。
まずはしっかりお口を閉じて1分間鼻呼吸を試してみてください。1分間鼻呼吸ができれば鼻の機能に問題はありません。
舌を上顎に付けて、口唇を閉じ、鼻呼吸を意識してください。
口唇テープなどで夜間の鼻呼吸訓練もお勧めです。