お口の健康も免疫力の強化から!

まだまだ新型コロナの影響が収まらない中ですが、体調不安はないですか?
新型コロナは基礎疾患(体に何らかの炎症症状がある)と症状が重くなりやすいそうです。

そんな糖尿病や心臓病などの基礎疾患に、歯周病が影響していることをご存知でしょうか?
歯周病は、お口の中に慢性炎症を抱えている状態なので、炎症の波及効果で糖尿病や心臓病が悪化しやすくなりますし、免疫力も低下します。

歯周病は自覚のない疾患です。歯科疾患実態調査では、軽微な歯肉炎症状まで含めると国民の半数以上に何らかの歯周疾患の症状があるそうです。新型コロナの予防のためにも、歯周炎の改善は重要です。

歯周炎の改善には歯磨きはもちろんですが、免疫力の強化も大切!今回はお口の健康と免疫力を高める栄養や食品についてご紹介します。

慢性炎症を抑える栄養

オメガ3脂肪酸 

イワシ、サバなどに多く含まれるEPADHA
細胞膜を構成する大切な材料になります。
血管壁を柔軟で丈夫にするので動脈硬化や心筋伷塞の予防になります。血管を丈夫にするので歯肉にも良い影響があります。
紫蘇油、えごま油、クルミなどに含まれるαリノレン酸
アレルギー原因物質を抑制したり血栓予防の効果があるので、炎症の抑制効果があります。

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ラクトフェリン

に含まれる栄養素で、一般的には腸内環境を整えることが知られています。唾液や母乳にも含まれます。
抗炎症作用があり、痛みや腫れの原因になる炎症性サイトカインの産生を抑制します。さらに、歯周病菌が持つ毒素と結合して無毒化します。(毒素は歯周組織のコラーゲンを破壊。歯周病菌が死んでも毒素は残る。)また歯周病菌から鉄を奪い取って、その生育を抑制し、プラークの形成を阻害します。
ナチュラルチーズのゴーダチーズやチェダーチーズなどに含まれていますが、熱と衝撃に弱いので多くは含まれていません。
効率的に摂るには、サプリメントや配合ヨーグルト等があります。

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唾液力を高めて免疫力向上

グルタミン酸 

昆布などに含まれるうまみ成分です。脳が食事をしたと錯覚するため、唾液分泌が長時間持続します。
唾液には、口内を清潔に保つ、消化を助ける、細菌侵入を防ぐなど、様々な働きがあります。
ドライマウス(口腔乾燥)気味の方には昆布茶などがおすすめです。

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マグネシウム

唾液の質を良くします。カルシウムやリンと結合して歯や骨の主成分になります。
不足すると、歯周病が悪化したり唾液の質も低下します。
マグネシウムは300以上の酵素代謝を助けているので、非常に失なわれやすいミネラルです。
しらす、納豆、蕎麦、ひじき、昆布、牡蠣などに多く含まれます。

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腸内環境を整えて免疫力を高めよう!

口と腸は一つの管でつながっていて互いに関連しています。
口内で歯周病菌が増え消化管へ流れ込むと、ほとんどは胃酸で殺されますが、一部の菌は生き残って腸内細菌のバランスを崩します。
また逆に、腸内で悪玉菌が増えると、粘膜バリアが低下し免疫力も低下します。
全身的な炎症を起こしたり、感染症にかかりやすくなるため、歯周病菌も増えやすくなり、口内環境も悪化します。

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ヨーグルト・乳酸菌

腸内環境を整えるため、ヨーグルトを食べている人は多いですよね。
腸内環境が整っていれば、風邪やインフルエンザにもかかりにくいので、日常的にヨーグルトを食べるのは良いことです。
さらに、ヨーグルトは歯周病にも効果があります。
歯周病菌や他の病原菌のほとんどは、基本的にpHバランスがアルカリ性に傾いたときに増殖します。
乳酸菌にはアルカリ性に傾いたpHバランスを元の正常な状態(中性)に戻す働きがあります。ですから、歯周病や感染症の予防のために、ヨーグルトを食べることは良いことです。
ただし、むし歯リスクが高い人は少し注意が必要です。
ミュータンス菌(むし歯菌)が多い場合、乳酸菌はミュータンス菌(むし歯菌)によって、バイオフィルムの中に閉じ込められてしまい、悪玉菌と共に増殖します。
乳酸菌はミュータンス菌がそばにいると、むし歯を作る悪玉菌に仾変してしまいます。

むし歯や歯周病にも効くプロバイオティクス

一般的なヨーグルトによる歯周病予防効果はそれほど大きくありません。また、ミュータンス菌の子分になってしまう弱点もあります。
この弱点を克服できるのがプロバイオティクス(全体に良い影響を与える微生物)です。
なかでも、むし歯や歯周病の予防効果にお墨付きをもらった乳酸菌があります。
下記のヨーグルトやタブレットは歯磨き後に舐めてもらうことで、口腔内のフローラ(細菌叢)を善玉菌に改善し口腔内環境を良くする効果があります。

ロイテリ菌

母乳から発見された乳酸菌です。ロイテリンという天然の抗生物質を生成し、歯周病菌やむし歯菌などの悪玉菌の増殖を抑制し、胃腸、免疫など身体への様々な健康効果があります。

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L8020乳酸菌

むし歯のない子供の口腔内から発見された乳酸菌です。歯周病菌やむし歯菌、カンジタ菌を効果的に抑制します。

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乳酸菌LS1

赤ちゃんの唾液から発見された乳酸菌です。歯周病菌を抑制し、口臭抑制に有効性があります。

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これらのプロバイオティクスは継続的に取り続けることで効果が上がります。まずは1ヶ月続けてみてください。

特集のために調べていて、いろいろな食品や栄養素に免疫力向上の力があることを知ることができました。
毎日の歯磨きに加え、免疫力の強化や歯周病予防のためにぜひ摂り入れてみてくださいね。