「一浩と栄里子のあたしんち」第71回 「矯正歯科医への道」
今年、長女が東京歯科大学を卒業予定で、1月末に国家試験(国試)を受験し、あとは卒業式と結果発表を待つのみとなりました。
娘と私は子年で36歳離れています。私も36年前に歯科大を卒業し、国試を受けた事を思い出します。
私の時代は卒業式が終わってから国試がありましたが、近年は卒業式の前に行うようです。
娘は国試の結果を待たずに、メルカリで使い終わった国試問題集を売ったり、卒業式の袴をレンタルしに行ったり、4月からの新生活の準備や、同級生と卒業旅行の予定など、何かと忙しそうです。
4月からは私の頃には無かった研修(インターン)も1年やらなくてはなりません、本人は一人暮らしもしたいので、研修を東京歯科大学千葉歯科医療センターで受けるとの事です。
その後、矯正歯科医を目指し矯正歯科基礎研修も千葉で受けることになります。
矯正研修(私も千葉で受けました。)は、しかたないとしてもインターンはわざわざ千葉に行かなくても…と思っている私の気持ちもよそに、娘はニコニコしながら引越しの準備をしています。「腹立つ(/ _ ; )」
そこで娘がこれからどのようなキャリアを積まねばならないかを記します。
高校を卒業して歯学部は6年制、24歳で歯科大学を卒業しました。これから1年インターンを行い、25歳、その後、最低2年の矯正基礎研修を大学等で行い27歳。さらに臨床研修(当院も臨床研修施設)を3年行なって、初めて日本矯正歯科学会の認定医受験資格(日矯認定医)が得られます。
もちろん上記キャリア以外にも、認定医には学会発表や論文、症例報告等も必要です。
どんなに頑張っても30歳以下では日矯認定医になれません。東京歯科大学の矯正基礎研修は最低3年あります。つまりあと4年は戻ってこないわけです。大学院へ行ったら+2年、6年は戻ってきません。
全ての研修が終わる頃には、東京歯科大学の130年の歴史が終わり、慶應義塾大学歯学部(2023年合併予定)となっているでしょう。
娘が将来、横浜に戻ってくるかどうかは別として、それまで私が元気でいるかどうかが心配です。
まだまだ長い研修が続きますが、6年間毎日、満員電車に乗って横浜から水道橋まで通っていたことに比べると、下宿先から医療センターまでは徒歩で通えるので少しは楽になるのかもしれません。
学生時代はどちらかというと試験のための勉強をしてきました。卒後研修はSkill Upであり患者さんのための勉強です。
私の経験からも、やりがいは全然違います。研修後も研鑽は仕事を続ける限り終わることはありません。
これからは矯正歯科臨床に興味をもち、楽しんで研鑽を続けてもらいたいと願っています。
院長 福増一浩