舌のトレーニング・・・MTF
『口の中には何がある?』
口の中は、歯以外にもこんなにたくさんの部分から成り立っています。その中でも一番大きいのが、「舌」。舌の特徴としては、次のものがあげられます。
- 舌は・・・
- *筋肉だけでできている。
- *食物を咬むとき、上下の歯の間に食物を誘導する。
- *飲み込むとき、のどの奥に送りこむために、持ち上がって波うつように動く。
- *話すとき、子音をつくる。
- *味を感じる
- *思い通りに動かすことができる
(うまくいかない人は訓練すれば上達します!)
舌は、口の機能のほとんどに関与し、かつ、意識して動かすことのできる、重要な内臓なのです!
「矯正治療と舌」
歯の周りに存在する筋肉には、舌のほかに、頬の筋肉や唇の筋肉、口を開け閉めするための筋肉などがあります。歯はこれらの筋肉から常に圧力をうけており、内外の圧力のつり合いのとれたところに歯が並んでいると考えられます。これらの筋肉のバランスが悪い人は矯正治療にあたって、次のような問題が生じる可能性があります。
口腔周囲の筋肉のバランスが悪いと・・・
*不正咬合の原因になる
*矯正治療中、矯正力のじゃまになる
*矯正治療後、「後もどり」の原因になる
「筋肉のバランスをくずす原因」
次の項目に当てはまる人は、口腔周囲の筋肉のバランスがくずれているおそれがあります。意識すれば治る人、訓練が必要な人、耳鼻科や口腔外科などで治療が必要な人などにわかれるため、スタッフに相談して下さい。あてはまる項目があれば、口腔周囲の筋肉のバランスがくずれている可能性があります。
*ふだん鼻がつまっていることが多い(アレルギーや蓄膿症など)
*ふだん口で息をしている
*扁桃腺がはれやすい、大きいといわれたことがある
*舌の裏のスジ(舌小帯)が短い(舌が上あごにつきにくい)
*小学生になっても指しゃぶりをしている
*唇や爪やえんぴつなどを咬むくせがある
*ごはんを食べるとき、くちゃくちゃ音をたてたり、口角に食べ物のカスが良くつく。
その他、もともとの骨格や舌の形などにより、筋肉のバランスがくずれやすいタイプの人もいます。
「大学ではこんな研究をしています!」
当院のドクターが矯正の勉強をした東京歯科大学矯正学講座では、1960 年代から口腔周囲の筋圧の研究を行っています。現在では山口教授のもと、超小型圧力センサーを用いて口腔周囲の筋肉の圧力を測定し、今までつかみどころの無かった口腔周囲の筋肉のもつパワーを解明しようという研究が進
められています。
「当院ではこんなトレーニングをしています!」
当院では、口腔周囲の筋肉のバランスの悪く、それによって歯並びが悪くなったと考えられる患者さんに対して、「MFT」と呼ばれる舌および口唇中心のトレーニングを行っています。舌および口唇は、口腔周囲の筋肉の中でも大きな割合を占め、また訓練すればバランスが整いやすいところであるといえます。
トレーニングの目的
*舌の筋肉の力を強くする - 弱い人は、舌を持ち上げることができにくい
*くちびるなどの筋肉に力をつける - 力のない人は、口で呼吸しやすい
*正しい飲みこみ方を覚える - 舌癖がある人は、飲みこむたびに舌で歯を押している
*トレーニングで覚えた舌の位置やくちびるの状態を保ち日常生活のなかで、正しい飲みこみ方を習慣にする
また、当院では矯正治療を終了したすべての患者さんに対して、『保定時のMFT』を行っています。すべての患者さんに、歯ならびに対する舌の影響について気づいていただくためです。この保定時のMFT の効果については11/24にMFT研究会でも展示発表を行い、たくさんの聴衆の方の関心を得てきました。
『お口の正しい姿勢』
猫背は健康に悪く、見た目にも悪いことは知っていても、無意識に猫背になってしまう人がよくいますね。そんな人でもいつも意識して背筋を伸ばし
ていれば、自然と姿勢が良くなってくるでしょう。お口にも『正しい姿勢』があり、普段できていない人は意識すれば、正しい姿勢、筋肉バランスを保
つことができます。
お口の正しい姿勢
1.舌の先を、丸めない状態ででスポットにつける
2.上あごのくぼみに添って、舌を吸い上げる
3.歯は、力を入れずに咬むか、1〜2mm 開いた状態にする
4.くちびるは力をいれずに閉じる
みなさんはできていますか?よくわからない人は、スタッフに聞いてください!