慢性の鼻詰まりのある方へ、『鼻粘膜焼却術』って知っ ていますか?体験した感想と術後感‼ご報告します!

衛生士の井上です。私は、子供の頃から慢性鼻炎で一年中アレルギーの薬を飲んでいます。薬でもある程度の効果はありますが、なかなか根本的な解決にはなりません。
薬の副作用も気になり、いつも患者さんに勧めているこの手術を受けることで、もっとスッキリとした生活が送れるのではないか?
手術は怖いけれど、実際に体験したらどうなんだろう?
そんな気持ちから「鼻粘膜焼却術」を受けて見ることにしました


鼻詰まりは睡眠中に強くなる!

11/3、4で行われた日本矯正歯科学会のセミナーで「鼻のクリニック 東京」の黄川田 徹先生の講演を聴いてきました。現代日本では慢性鼻炎が増えているそうです。アレルギー性鼻炎は40~50%の人が発症していて、それ以外でも【気付かれていない鼻炎+非アレルギー性鼻炎】の人が30%ほどいるそうです。この【気付かれていない鼻炎】とはどんなものなのかというと、日中は症状があまり無く、睡眠中に症状が悪化する鼻炎のことだそうです。

下の図のように鼻炎の人は鼻の中の粘膜が腫れて鼻の通りが悪くなっています。この粘膜の腫れは炎症による血液の停滞が引き起こしています。

しかし、【気付かれていない鼻炎】の人は多少は腫れていても日中は交感神経の働きで血流が促進し、さらに重力で血液が下がるので、重度の腫れにならず鼻呼吸が可能です。

でも、睡眠時には副交感神経が優位になり、血圧が下がり血管も拡張し、さらに横になるので血液が停滞しやすくなるため鼻の粘膜がよりいっそう腫れて鼻呼吸ができなくなってしまいます.

鼻詰まりは口呼吸を習慣化し、歯並びや顎や顔面の形態にも影響を与えます。重症化すると睡眠時無呼吸症になり、体の不調や集中力の低下など精神面にも影響が出るようになります。

当院の患者さんのほとんどに、鼻炎による口呼吸の影響が認められます。鼻詰まりがある場合、まずは鼻呼吸訓練や鼻うがい、耳鼻科での投薬、矯正治療での歯列拡大などで鼻呼吸への改善を促します。

しかし、鼻詰まりの症状が強く、薬が効きにくく感じているような方には、「鼻粘膜焼却術」のような外科的な対処法の検討もお勧めしています。


鼻粘膜焼却術を体験しました!

麻酔薬の染みた綿棒を鼻に入れて5分ほど待った後に、麻酔薬を浸したガーゼを大量に鼻の奥に入れて更に10分ほど待ちます。

徐々に上顎前歯くらいまで痺れてきますが、ここまでの処置で痛みは一つもありませんでした。

(待っている間にふくふく便りへの掲載を考えてこっそり写真を撮って見ました。ふざけているわけではありません。(笑))

 
 

麻酔が効いて来たら、診療台に移動して処置が始まります。焼くので少し焦げ臭い匂いがする時もありますが、痛みはほとんどありませんでした。処置自体は10分ほどで終わりました。

術後1~2週間は、水泳や鼻に負担がかかりそうな激しい運動は避けたり、強く鼻をかんだりといったことへの注意が必要です。諸注意は、病院や体調によっても違うので、かかりつけの先生に確認してくださいね。

その後はカサブタが大量に出てくるのですが、その時期を過ぎると安定してきます。現在、鼻の通りは薬を飲まなくてもまぁまぁ良い感じです。世の中にこんなに空気があったんだというのが最初の感想でした。

しかし、鼻は通っているのに口呼吸する自分に気づき、鼻で息をしないとことが癖になっているのを痛感しました。もっと成長期ににこんな情報があれば自分の顔立ちも違ったのだろうかと想像してしまいます。

3回までは施術が可能で、3回受けても効かない場合は、他の手術を検討した方が良いとのことでした。思ったほど痛みもなかったので、もう少し間を開けてもう1度挑戦しようと思っています。料金は、保険診療なのでおおよそ1万円前後でした。検討中の皆さんの参考になれば幸いです。