3Dプリンターの歯科分野の活用
3Dプリンターは歯科分野でも革新的な技術として広がっています。
特に、歯科治療の効率を大きく向上させ、患者さんに快適で精度の高い治療を提供するために活用されています。
3Dプリンターは歯科のこんな場面で使用されています
矯正治療:マウスピース矯正装置などを患者の歯型に合わせて作成。
補綴治療:クラウン、インレー、ブリッジなどの補綴物を高精度で製作。
インプラント治療:インプラントの埋入位置を正確に計画するためのガイドを作成。
口腔外科:骨移植や再建手術用のカスタムプレートやガイドを製作。
教育・患者説明:患者ごとの口腔内モデルや手術シミュレーションモデルを作成。

クラウン

インレー

マウスピース

口腔内モデル
3Dプリンターで作る利点
①快適さの向上
従来の歯型を取る際には、粘土状の印象材を口に入れて長時間我慢する必要がありました。
口腔内スキャナーでお口の中をスキャンするだけで、歯型とりの役割になります。
歯型とりが苦手な方にはストレス軽減となります。特に、嘔吐反射の強い患者様にはおすすめです。

②スピード
口腔内スキャナーは、スキャン後すぐにデジタルデータとして歯の型を得ることができ、治療計画を迅速に進めることができます。これにより、患者の待機時間が短縮されます。

③細部まで正確なデータ
従来の印象取りでは微細な部分が見落とされることがありましたが、口腔内スキャナーは非常に精密なデータを取得することができ、補綴物(クラウンやインレーなど)のフィット感が向上します。
3Dプリンターは今、ただの道具を超えて「アイデアをそのままカタチにする魔法のマシン」へと進化しています。作れるものは、スマホケースや義歯だけにとどまり
ません。なんと、家や臓器、そしてチョコレートまでも印刷できる時代に突入しています!!
今後の進化が期待される技術3選!!
1. バイオプリンティング
バイオプリンティングは、細胞や生体適合材料を使って人工組織や臓器をプリントする技術です。歯科分野では、再生医療や歯周組織の修復に応用が期待されます。
2. 4Dプリンティング
4Dプリンティングは、時間と環境の変化に応じて形状や機能が変わる素材を使用した技術です。インプラントや義歯が患者の口腔内に合わせて最適な形状に変化し、治療の精度や快適さが格段に向上することが期待されています。
3. AI統合型3Dプリンティング
AIを使って3Dプリントプロセスを最適化する技術です。特に患者ごとの個別対応が求められる歯科分野では、AIを駆使した最適化が進むことで、治療の精度が向上し、時間短縮が実現するでしょう。
歯科分野での3Dプリンターは「補綴物を作る機械」から、「再生医療・治療を根本から変える技術」へと進化中!これからの進化がとても楽しみですね!!
当院でも3Dプリンターと口腔内スキャナーを導入しています!
当院では口腔内スキャナーと3Dプリンターを使用して顎模型を製作しています。これにより、歯並びや噛み合わせの詳細をデジタルデータとして保存することができ、歯牙移動のシュミレーションなどの治療計画や、治療期間中における変化を比較しやすくなっています。
注)3Dプリンターは現在条件を限定して活用しています。
これからの取り組み
口腔内スキャナーと3Dプリンターで作られた診断用模型は、精度が高く、歯並びや噛み合わせを詳細に把握するために非常に重要です。また、デジタルデータとして保存されるため、複製が必要な場合でも同じものを簡単に再作製することができます。患者さんの負担をへらすことが可能となるため、現在準備を進めています。口腔内スキャナーと3Dプリンターによる診断用や装置作製用の模型をはじめとした新しい取り組みによって、治療の精度向上を目指し、患者さまにとってより良い矯正治療を提供できるよう、スタッフ一同全力で取り組んでいきます。
技工士 平山