歯周病と全身疾患の関係
こんにちは、衛生士の真壁です!
コロナの流行によりマスク生活が当たり前になったことは、多くの人が歯科矯正を始めるきっかけとなりました。
最近マスクの着用が個人の判断となりましたが、今まで隠されていた口元を人前で出すようになった影響か、再び歯科矯正を始めようと思い立つ人が増えているという話もあるそうです。
矯正器具が着いたときに患者さんは皆むし歯の心配をされますが、
実はむし歯と同じくらい怖いのが歯周病の進行です。
歯周病はお口の中だけでなく、全身の健康に関わっていることを知っていますか?
認知症、糖尿病、低体重児・早産、肥満、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、心内膜炎、誤嚥性肺炎、…
キリがないほど出てきます。
今回は歯周病と関係している多数の全身疾患のうち3つをご紹介しようと思います。今身近ではないことも、将来知っておくといい情報を集めてみたので是非参考にしてみてください!
01.認知症
現在高齢者の5人に1人が認知症と言われていますが、歯周病予防が認知症を予防できるかもしれません!
02.糖尿病
あまり知られていませんが、糖尿病と歯周病はどちらかが悪化すればもう一方にも影響が出る関係なんです!
03.低体重児・早産
矯正治療に通う妊婦さんは多くいらっしゃいます。生まれてくる赤ちゃんのため正しい知識をつけましょう!
そもそも歯周病ってどんな病気?
まず、歯周病は“感染症”です。
歯自体を崩壊させるむし歯とは違い、歯の周りの組織を無症状のうちに感染させ、やがて歯が自然に抜けてしまうような怖い病気なのです。
歯周病には進行度合いがあるのですが、自覚症状が出る頃にはかなり進んでしまっていることが多いです。
小学生になると口の中に入ってきた菌が定着して増殖することで感染し始め、18歳以降になると最も病原性の高いレベルの歯周病菌に感染します。
成人になると生活習慣の乱れや環境の変化により、歯周病に罹患していると進行していく一方…
矯正治療に通っている患者さんは若い方が多いのでまだ無縁と思いがちですが、歯周病は“大人の病気”ではなく“子どもから大人までの病気”とも言えるでしょう。
01.認知症
某大学のマウスを使った実験で、歯周病菌を慢性投与するとアルツハイマー型認知症の原因物質を体内で増やし、さらには脳内へ運び込む働きをしていることがわかったんです!
3週間連続で投与されたマウスは記憶障害を誘発したのですが、まさか歯周病から記憶障害に発展するとは思いもしませんよね…。
研究者チームも、「アルツハイマー型認知症の予防に口腔ケアは重要で、歯周病の予防と治療によって認知症の発症と進行を遅らせることが多いに期待できる」と明言しています。
02.糖尿症
なかなか下がらない糖尿病の数値、歯周病治療で改善するかも…
糖尿病患者に歯周病が存在していると、歯周病は糖尿病を悪化させます。
近年 小児や10〜20代の糖尿病発症患者が増えていると言われているので、大人の方もお子さんも他人事ではありません。
糖尿病に罹患することで私が一番怖いと思っていることは、脳梗塞・網膜症・神経障害・足壊疽などの合併症が起こることです。
これも意外と知らない方が多いです!
03.低体重児・早産
元気な赤ちゃんを産むために
「子どもを1人産むと歯を1本失う」という格言があります。
さすがに誇張されているとは思いますが、妊娠すると歯周病にかかるリスクは7.5倍にもなり、妊婦の8割が歯周病に罹患していると報告されているのです!
通常の羊水は無臭なのに対して、歯周組織を介して感染した羊水は猛烈な悪臭を放ち赤ちゃんに臭いが染みつきます。
最悪の場合死産になるケースもあるため、赤ちゃんの命を守るために妊娠前からの歯周病対策がとっても重要です!
今日から定期歯科健診の受診、セルフケアの改善を始めましょう!!