乳酸菌でいつも元気!
こんにちは受付の坂本です。
ようやく暑さが和らいできた…と思いきや次は秋の花粉でつらい季節。アレルギー体質の方や季節変化で体調を崩しやすい方には悩ましいですよね。最近は健康に良いという乳酸菌関連商品がたくさん出ています。今回はそんな気になる乳酸菌について特集してみました。
乳酸菌って?
発酵によって糖類をエサに乳酸を作り出す性質を持つ微生物のことを指します。
人体に有益な菌のため「善玉菌」とも呼ばれます。逆にたんぱく質や脂肪の摂取、不規則な生活・ストレス・加齢などにより増え、様々な病気を招くのが「悪玉菌」です。乳酸菌は腸内で働く細菌で、私たちの身体を健康に保つ手助けをしてくれます
乳酸菌が身体に与える影響は?
乳酸菌は腸内で悪玉菌の繁殖を抑え、腸内細菌叢のバランスをとって腸内環境を整える役割を果たしています。便通の改善だけではなく、コレステロールの低下や免疫力を高め、がんを予防するなど、さまざまな働きがあるそうです。
最近ではピロリ菌を排除するなど、特徴のある機能を持つ乳酸菌も研究されています。乳酸菌などの腸内環境を整える微生物のうち、生きて腸に到達できる有用な微生物を特に【プロバイオティクス】といい、オリゴ糖など細菌の栄養源となりプロバイオティクスの増殖を助けるものを【プレバイオティクス】といいます。
腸内細菌は免疫と密接な関係があり、なんと免疫細胞の6~7割が腸にあります。つまり、悪玉菌優位の腸内環境を放っておくと、免疫力が落ちて様々な病気を引き起こしてしまうんです。また腸内には善玉菌と悪玉菌のどちらでもない、日和見菌に分類される菌も多く存在します。腸内環境を整えて免疫力をupさせるためには、いかに日和見菌を善玉に導くかにかかってきます。
乳酸菌はその日和見菌を善玉に導くことに貢献してくれる強い味方です。乳酸菌を体内に取り入れ、善玉菌を増やすことで、風邪やインフルエンザの予防、花粉症やアトピー性皮膚炎の状抑制、またガンや高血圧、糖尿病といった病気予防が期待できます。
どんなものに含まれるの?
食品としては、ヨーグルト・味噌・チーズ・漬け物・日本酒など発酵食品の製造に使われています。よく知られているのはヨーグルトですね。ヨーグルトなどでよく知られているビフィズス菌も乳酸菌の一種です。
ちなみに免疫力をアップさせることができる乳酸菌の種類は、乳酸菌シロタ株やLG21乳酸菌やラブレ菌などがよく知られています。そのほかにもたくさんの種類の免疫力アップが期待できる乳酸菌があるので、こうした乳酸菌をヨーグルトなどから積極的に摂取することが大切です。
どのくらいの量を摂取するのが理想的?
多く食べるほど善玉菌もたくさん入りますが、ヨーグルトなどは過剰に食べるとカロリーオーバーや、体の冷えによる血流の悪化、胃腸への負担も気になります。一日に食べる量は100g前後からがオススメです。そこを起点に調子が良ければ量を増やし、逆に腸内ガスが溜まって苦しくなってしまったり、下痢をしてしまうようなことがあれば量を控えましょう。
また自分の身体に合った乳酸菌を見つけるには、ヨーグルトであれば1種類のヨーグルトを2週間ほど食べ続けて様子をみてみましょう。自分に合うか合わないかは体質によるところが大きいので、食べ続けてみて、身体のコンディションが良くなったと感じたら継続的にそのヨーグルトを食べてみると良いです。キムチにも1gあたり数億個の乳酸菌が含まれており、この乳酸菌は酸に耐えられるため生きたまま腸内に到達すると言われています。
乳酸菌の中には生菌でなくても腸内で免疫細胞を活性化させたり、腸内環境の改善に役立つものもあります。最近は乳酸菌サプリメントもいろいろと売り出されているので手軽に試すことができますね。
どのタイミングで摂取するのが効果的?
乳酸菌は胃酸に弱く、空腹時は胃酸が多いので乳酸菌が死んでしまいやすい傾向にあります。より多くの乳酸菌を腸に届けるには、食後に摂取するのが適しています。食後は胃酸の出が減るので腸まで届く菌が増えるからです。ですので食後のヨーグルトはオススメですね。ただ腸に届くまでを時間だけで考えると、食後は2時間かかるのに対し、空腹時は40分程と空腹時の方が早いそうです。
乳酸菌は腸内に定着し続けるの?
例えばヨーグルトを毎日食べているうちは便から菌が検出されますが、食べるのをやめれば数日(3~7日間)で検出されなくなります。つまり定着はしません。そのため取り続けることが大事です!取り続けることで定着に近い状態になります。
乳酸菌と精神疾患の関係
これまで精神的な問題は、脳そのものあるいは脳血管系の問題であると考えられてきました。そのため精神治療薬や認知行療法、作業療法などが行われています。しかし抑うつ・不安状態、自閉症などの発達障害に腸内細菌が関与して、その疾患が引き起こされたり悪化したりしている可能性があることが分かってきました。
例えばうつ病の原因のひとつに脳内におけるセロトニン不足があります。脳内ホルモンであるセロトニンは脳で分泌されると考えられていたのですが、実はセロトニンの90%は腸に存在し、脳内では2%に過ぎないことが分かったのです。セロトニンは”幸せホルモン”とも言われ、歓喜や快楽を伝えて幸福感を感じる脳内物質であり、人間の精神活動に大きく関係しています。腸内環境が悪くこれらを分泌する腸内細菌が存在しないと、セロトニンなどの脳内物質を作り出すことができなくなってしまうのです。
つまり、過敏性大腸症候群など「ストレスで下痢を起こす」疾患においても、”脳が腸をコントロールしている”のではなく”腸が脳をコントロールしている”可能性があるといえます。それは脳を動かしている神経伝達物質のもとをつくっているのが腸であり、うつ病は脳の神経伝達物質であるセロトニンやドーパミンが不足して起こる疾患であるため、それを腸内細菌がつくることによって脳に影響を与えてうつ病が改善すると考えられるのです。実際にうつ病患者に乳酸菌を投与し、改善した例があるそうです。
乳酸菌は口腔内にも良い影響を与える?!
歯周病の罹患率は35~44歳の人で約30%、55歳以降になると50%の人が歯周病になっているという調査結果があります。
近年、腸と同じく口の中の細菌バランスを整える乳酸菌も幾つか発見され、その乳酸菌を摂取することで、歯周病菌や虫歯菌が減少していくことが確認されています。細菌バランスを改善することで、免疫力を高め薬物に頼らない歯周病治療も可能になるかもしれません。また乳酸菌は、抗生物質を避けたい妊婦さんや小さなお子さんも取ることができるので安心ですね。
最近は乳酸菌入りの商品もさまざま!!効能を期待するには継続して取り続けることが大事です!でも、糖分のある食品は虫歯リスクを上げるので、頻回摂取にはご注意を!
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参考文献:オーラルプロバイオティクスセラピー,NHKスペシャル「人体」,雑誌クロワッサン