教えてドクター!どうして歯は動くの??
矯正治療を始めて、どうして歯が動くのか不思議に思った事はありませんか?
特に歯を抜く治療の人はそのすきまがどうなるのかドキドキしますよね。
仕組みがわかれば、痛みにも前向きになれるかも?!と思い、特集を書くことにしました。
歯科医師 西田
歯はどうやって動いているの?
矯正の力がかかると、歯の根の周りにある歯根膜が引っぱられたり、縮んだりします。
引っ張られている方には新しい骨ができ、歯を押し、縮んでせまくなった方では骨が溶けてゆっくりと歯が移動します。
適正な力では、歯の移動のスピードは1ヶ月に約1mmです。
さらに、ミクロの世界をのぞいてみよう~骨ができる仕組みと骨が溶ける仕組み~
歯根膜が引っぱられている方には骨芽細胞という骨を作る細胞が出てきて、新しい骨を作っていきます。
一方、歯根膜が縮んでいる側では血管が押しつぶされ、酸素不足の状態になります。
そしてマクロファージという細胞から炎症物質が出て、眠っている破骨細胞を起こします。起こされた破骨細胞は骨を食べ吸収していきます。
マクロファージから出る炎症物質の中には、痛みを引き起こす物質も含まれているため、歯が動くのは痛いんです。。。
どのくらいの力で歯は動くの?
では実際どのくらいの力で歯は動くのでしょうか?
何も装置が付いていない歯は数gの力で動きます。ブラケットが付いている歯ではワイヤーとブラケットの”まさつ力”があるため50gから100g程の力が必要です。また、お口の中に使う輪ゴム(顎間ゴム)も約100g程の力で使います。
余談ですが・・・
歯の周りにある唇や舌の力は強い人では1kgにもなります。
そして頭の重さは約5kg。私たちが唇や舌のクセ、横向き寝やうつぶせ寝について口すっぱく注意するのはこのためです。
数gで動いてしまう歯にこんなに大きな力をかけたらどうなるでしょう???今日もトレーニング頑張りましょうね!
歯を最も効率的に動かす秘訣!!顎間ゴムは18時間以上使うべし!!
~まじめに使えてますか? 顎間ゴムを使うのはなぜ??~
ブラケットを使用した治療では、多くの患者さんに顎間ゴムを使って頂きます。
一見ただの小さな輪ゴムですが、治療成功のために欠かせないとーーーっても大事なゴムなのです。
ブラケットは歯を前後に動かす事はできますが、上下の歯を下ろして噛み合わせたり、前歯を後ろに下げる手助けはできません。
これを行うのが顎間ゴムです!
顎間ゴムはできるだけ弱い力で長時間つけつづけるのが歯の移動に最も効率的です。
外している時間が長っかったり、夜だけの使用では、先ほども述べたように唇や舌の力の影響を受けたり、歯に揺さぶりの力がかかり歯の移動に期間がかかるだけでなく、歯へのダメージにもつながります。
面倒なのは、重々承知ですが、早く治療を終えるためにもご協力よろしくおねがいします!