“顎関節症” 予備軍チェックと予防ケア
「あごが痛い!」顎関節症になる前に 気づくことからはじめよう
こんにちは。受付&Cheerを担当している牧です。
最近、小学生の方~成人の方まで「顎が痛いのですが、診てもらえますか?」という問い合わせが増えています。
矯正患者さんではない方からも、どこへ相談したらいいか分からないのでこちらにかけましたという方も多くいらっしゃいます。
“顎関節症”というと、あまり自分には関係がない話と思う方が多いかもしれませんが、“顎関節症”になる可能性がある症状をお持ちでも、気付いていない方が非常に多いようです。
今回の特集では、急に顎関節症にならないための顎関節症 予備軍チェックと、顎関節症の予防ケアをご紹介します。
顎関節症 セルフチェック
何も自覚症状のない人にも、実は顎関節症が潜んでいることがあります。
いくつか該当する項目があった人は要注意。
あごの状態
- 食物を咬んだり、長時間しゃべると、あごがだるく疲れる
- あごを動かすと痛みがある。特に口を開閉する時に痛みを感じる
- 耳の前やこめかみ、頬に痛みを感じる
- 大きなあくびや、大きく口を開けて食べることができない
- 時々、あごが引っかかったようになり、動かなくなることがある
- 指3本を縦にそろえた幅に口を開けられない
- 口を開閉した時、耳の前あたりで音がする
- 最近、あごや首、頭などを打ったことがある
- 最近、かみ合わせが変わったと感じる
- 頭痛や肩こりがよくする
顎関節症 予備軍チェック
顎関節症の発症には生活習慣が大きく関わっていると考えられています。
該当する項目が多いほど、顎関節症を発症しやすいといえます。
生活習慣
- 「歯ぎしりをしている」と言われたことがある
- 日中、気がつくと歯をくいしばっていることがある
- 食事の時、片側だけでかむ癖がある
- うつ伏せで寝る癖がある
- 頬づえをつく癖がある
- 学校や職場や家庭など環境でストレスを感じることが多い
- 物事に対して神経質な面がある
- 夜、ぐっすり眠れないことが多い
- 起床時にあごにだるさや疲れを感じる
- 最近、エラが張ってきたのが気になる
“顎関節症”の代表的な症状
「あごが痛む」「口を大きく開けられない(開口障害)」「あごを動かすと音がする(関節雑音)」の3つです。
実際にはこれらの症状1つだけで起こることもありますが、2つ以上重なって起こることが多いそうです。
“顎関節症”の原因は1つではない
顎関節症はいろいろな因子が積み木のように重なって、耐久限界を超えたときに発症すると考えられています。
つまり、原因となる可能性の因子を持っていても、限界に達しなければ顎関節症は起こらないことも多いのです。
また、耐久限界にも個人差があり、なりやすい人となりにくい人がいます。
“顎関節症”を引き起こすさまざまな因子
「ブラキシズム」
ブラキシズムとは、咬みしめ(食いしばり)や歯ぎしりなどの事です。
顎関節症の患者さんの多くに共通して見られるため、顎関節症を引き起こす因子の中でも最も注目されています。
しかしブラキシズムは、本人が自覚しないまま、していることが多い癖です。
咬みしめ(食いしばり)は力を入れる動作だけでなく、集中している時などにも無意識のうちに行っています。
また、日中だけでなく就寝中にも起こります。
「ストレス」
様々なストレスを抱え、精神的な緊張を強いられると、無意識のうちに咬みしめたり、肩・首などの筋肉を過度に緊張させたり、睡眠中に歯ぎしりをしたり、眠りが浅くなります。
顎関節症に限らずストレスからくる精神的な問題と身体の関係は深いと言われています。
顎関節症かなと思ったら…
あごの関節に痛みがあったり、口が開けづらいなどの異常を感じて、顎関節症かなと思ったら、1週間はなるべく顎に負担をかけないように気をつけながら、自分で様子を見てみましょう。
一週間経っても症状が改善しない場合は、歯科医院へご相談ください。
また、一週間様子を見て、異常を感じなくなったら、そのまま放っておいても大丈夫です。
重症でない限り、自然に症状が緩和され治ることが多いそうです。
顎関節症 予備軍チェックで当てはまる項目が多かった方は、いつか顎関節症になる可能性が高いと言えます。
顎関節症は生活習慣病です。
噛みしめる癖や歯ぎしりや片側でかむ癖など、一つひとつの要因はさほど大きな問題に見えないかもしれません。
しかし、積み重なってしまうと生活に支障をきたすような深刻な悩みにまで発展してしまいます。
まだあご周りにつらさをさほど感じていない方もぜひ参考にしてみてください。
子どもの顎関節症 予防
顎関節症で来院する中学生・高校生が増えているそうです。
中高生ほどではないですが小学生の患者さんも増えつつあるそうです。
要因は成長期の発育バランス、姿勢やあごの使い方、心理的ストレスによるあごの筋肉の緊張など様々です。
顎関節症の改善と予防のためには、何が原因なのかを探り、一つひとつの生活習慣を見直すことで要因を取り除く方法を検討します。
幼児期から硬いものをよく噛んで食べてあごを鍛え、あごの発育を促すようにすることも顎関節症予防になります。
あごの骨や関節が出来上がる前の幼児期から子どもの食習慣に十分気を配りましょう。
もちろん、同時に虫歯予防にも気をつけましょう。
参考文献:[NHKきょうの健康Qブック② あごが痛い、口が開かない 顎関節症]NHK出版
[顎関節で困ったら 専門医がおしえるセルフケア]砂書房