鼻の病気と鼻呼吸サポートグッズ
衛生士の立花です。矯正治療の中で「鼻呼吸」の大切さについて話をすることが増えています。
患者さんによく見られる特徴のひとつとして、「鼻の病気のために、鼻呼吸が難しい&できていない」ということがあります。
そこで今回は、鼻通りを改善するために『鼻の病気と鼻呼吸サポートグッズ』について特集しました。
鼻の病気にはどんなものがあるの?
当院の患者さんに多い鼻の病気は「アレルギー性鼻炎」「副鼻腔炎」「鼻中隔湾曲」「嗅覚障害」などです。
鼻の病気は鼻づまりを起こし、深い睡眠を妨げ、脳の疲労を十分に回復させることができません。
そのため、ぼーっとしてしまう、仕事や勉強に集中できない、キレやすい、成長ホルモンの分泌不全による身体の発育障害など引き起こします。
また、口呼吸自体が、顎の骨の発育障害をきたすため、顎の成長を期待する矯正治療にとって、鼻の病気は大きなダメージとなります。
副鼻腔炎
この4つの空洞が副鼻腔(ふくびくう)です。
副鼻腔と鼻腔は小さな孔(あな)や
狭い管でつながっています。
こんな症状ありませんか?(副鼻腔炎の症状)
- 鼻水:どろっとした悪臭を伴う黄色や緑色の鼻水
- 鼻づまり
- 頭痛や顔面痛
- ほおの圧迫感や違和感
- 鼻の中に悪臭を感じる
- 匂いがわかりずらい(嗅覚低下)
- 鼻水がのどに落ちる(後鼻漏) ※自覚がない人も多い
- 鼻水が喉に落ちることによる痰や咳
*すべてが出現するというわけではありません。
鼻の副鼻腔という場所に炎症が起こる病気です。
細菌(カゼの後に生じることが多い)やアレルギー(花粉、ハウスダスト、ダニ)が主な原因ですが、鼻中隔湾曲(*1)、大気汚染、ストレス(自律神経のバランスを崩す)なども原因になると言われています。
元々アレルギー性鼻炎を持っている人が風邪を引くと、急性副鼻腔炎になってしまうことがよくあります。
副鼻腔炎の症状が2~3ヶ月以上続いた場合、慢性副鼻腔炎と診断されます。
炎症が長く続くことにより、副鼻腔の粘膜が腫れたり、膿が溜まります(蓄膿症)。
鼻茸(はなたけ:ポリープ)ができてしまうこともあります。
子供は、副鼻腔と鼻腔をつなぐ孔(あな)が大きく、細菌が入りやすい構造をしています。
なので鼻炎が長引いているときは、副鼻腔炎を疑って下さい。
子供は鼻呼吸を邪魔するアデノイドが大きかったり、粘膜の抵抗性も弱いため、小学校低学年までは副鼻腔炎を繰り返すことが多くあります。
高学年になると大半は治っていきますが、放っておくと難治性の副鼻腔炎に変わってしまうこともあります。
また、鼻腔と耳は繫がっているので副鼻腔が中耳炎の原因となることもあります。
治療方法は、鼻の処置とネブライザー、薬の服用が一般的です。慢性化している場合は、治るまでに長期間を要します(3ヶ月以上)
鼻水 | くしゃみ | かゆみ | 発熱 | |
---|---|---|---|---|
副鼻腔炎 | ドロドロ | X | X | △ |
アレルギー性鼻炎 | サラサラ | ◯ | ◯ | X |
風邪 | ◯ | ◯ | X | ◯ |
副鼻腔炎とアレルギー性鼻炎は似た症状を持っていますが、鼻のかゆみやくしゃみを伴わないのが、副鼻腔炎です。
*1 鼻中隔湾曲とは…
鼻中隔とは、鼻腔の内部を左右に仕切っている壁をいいます。鼻中隔を形成している2つの骨と1つの軟骨は成長のスピードに差があるため、大人は多少なりとも湾曲しています。湾曲の程度が大きい場合、「鼻づまり」が起こりやすく、また細菌も繁殖しやすくなるため、慢性副鼻腔炎を起こしやすくなります。
アレルギー性鼻炎
アレルギー反応によって起こる鼻の粘膜の炎症です。アレルギー性鼻炎で悩む日本人は、ここ10年で30%も増加しています。アレルギー性鼻炎にかかってしまったら、アレルゲン(アレルギーを引き起こす原因となる物質)との接触を絶つことが肝心です。症状は、くしゃみ、鼻水(さらさらした水のような鼻水)、鼻づまりが繰り返し起こるのが特徴です。
通年性アレルギー性鼻炎の場合、冬に比較的強い症状が出ます。暖房で窓を閉め切っているため室内にハウスダストが飛び回り、空気が乾燥することから症状が悪化します。合併症として、喘息やアトピー性皮膚炎が起こることもあります。季節性アレルギー性鼻炎のほとんどは「花粉症」とよばれるもので、鼻の症状のほかに、目のかゆみや充血(結膜炎)、喉の違和感、皮膚のかゆみ、湿疹、咳などの症状が出ることがあります。通年性アレルギー性鼻炎と季節性アレルギー性鼻炎を両方持つ人も多くいます。
体質的な病気であるため、飲み薬も鼻のスプレーも症状を抑えるだけになってしまい、長期の服用が必要となってしまいます。薬の量や期間を減らしたい、症状がひどい場合には、外科的治療として、腫れた鼻粘膜をレーザーなどで焼いて凝固減量させ、鼻づまりを改善する鼻粘膜焼灼術も有効です。
*鼻粘膜焼灼術も「対処療法」の一つです。
アレルギー性鼻炎の原因
- ハウスダスト(室内のチリ、ホコリ、ペットの毛、ダニ、カビなど)
- 花粉の飛散量の増加
- 大気汚染
- ストレス
- 食生活の変化
アレルギー性鼻炎になるかどうかは、遺伝的な体質によるところが大きいため、完全な予防は困難だが、アレルゲンの接触を避けることで症状を軽くできます
生活上の注意と予防法
- 禁煙・分煙を徹底する
タバコの煙は鼻の粘膜を刺激し症状を悪化させる - ペットを室内で飼わない
- 身体の抵抗力をつける
睡眠、過労を避ける、ストレスをためない! - 室内の乾燥を防ぐ
鼻の粘膜に適度な湿気は必要。加湿器を! - バランスの摂れた食生活
肉類、卵、乳製品を毎日摂り、野菜が極端に少ないなど 栄養の偏った食事はNG!! - 風邪を引かないこと
アレルギー性鼻炎を持つ人が鼻風邪を引くと症状が長引き、また急性副鼻腔炎を起こす可能性も大きい!
当院がお勧めする鼻呼吸サポートグッズ
鼻呼吸をサポートする商品をタイプ別に紹介しています。商品はイメージしやすいように掲載しているものであり、この商品でないと効果がないというわけではありません。
鼻腔拡張器
鼻の穴に差しみ、
鼻の通りを良くします。
鼻腔拡張テープ
プラスチックバーが鼻腔を広げ、
鼻の通りを良くします。
口唇テープ
テープで唇を閉じることで、
鼻呼吸しやすい環境を作ります。
口呼吸を防止し、
喉の乾きやイビキ予防の他、
ウイルスの侵入を防ぐので、
風邪予防にもなります。
鼻うがい
鼻粘膜に付着したウイルスや花粉、
詰まった鼻水を洗い流すことができます。
鼻の奥にある上咽頭まで洗うことができます。
のど鼻吸入器具
湯気が身体の中に入ると、
その水分が粘膜に潤いを与えると同時に、
湯気のもつ熱が、血行を促進します。
鼻や喉の繊毛運動を活性化させるため、
鼻の不快感が解消されます。
鼻と喉を同時に加湿することができ、
鼻炎の症状を緩和します。