貝の不思議発見!
冬はカキ鍋やぶり大根など魚介類のおいしい季節ですね。 カキ鍋を食べながら特集ページのテーマを考えていたら、貝の歯っ てどうなっているんだろう?と思ったので調べてみました。
貝の歯ってどんな歯??
貝にも歯があることを知っていますか? アワビやサザエなど二枚貝(同じ形の2枚の貝殻をもつ貝)以外の貝は、リボンの上に突起 がたくさん並んだような構造の歯をもっています。大根おろしに使う『おろし金』を想像す ると分かりやすいと思います。
人の歯は上下1列で乳歯から永久歯に1回だけ生え変わりますが、貝の歯は何列もあり、使って いる歯がすり減ったり、折れたりすると次々と新しい歯が後ろから押し出されてきます。 ヒザラガイで70〜80列、カサガイの仲間のマツバガイやベッコウガサガイにいたっては、 450〜500列の歯をもつ個体がいます。歯が生え変わることで有名なサメでさえ予備の歯は 数列程度だから貝の歯列数は比べられないくらい多いことがわかります。
体のどこにあるの?
アワビの歯は貝の長さの3分の2くらいあります。こんなに長い歯を体のどこにしまっていると思いますか? 当然、口の中だと思いますよね。ほぼ正解です。なぜ『ほぼ』かと いうと口から胃の方まであるからです。人に例えるとなんと口からへそ位までの長さがあるということになります。
磁石にくっつくヒザラガイの歯
貝はどのようにエサをとるのでしょうか。ヒザラガイを例にとって説明します。 ヒザラガイの歯は1列に17本歯がありますが、そのうち2本、大きくて先が黒っぽいひときわ 目立つ歯があります。この歯に磁石を近づけてみると、磁石がくっついてしまうのです。これは 磁鉄鉱(マグネタイト)という磁石につく鉄の化合物がこの黒い歯にたくさん含まれているからです。
ヒザラガイはこの硬く黒い歯を含む口に近い10列程度の歯列を口から突き出して、岩の表面に ついている小さな海藻やケイ藻などをかきとって食べています。鉄の歯なので、さぞ強力そうで すが、表面をガリガリやっているうちに歯の先端がすり減ってしまったり、抜け落ちてしまうこともあります。
体の中に磁鉄鉱をもつ生き物は細菌から魚、鳥にいたるまで幅広く存在しています。サケや渡り 鳥などは地磁気 (地球の周りにある磁場のこと)を感じて回遊や渡りをすると考えられています。同じようにヒザラガイは磁鉄鉱の歯を使い、自分の居場所を感じながら動いているのではないか という考えもありますが、詳しいことはまだ分かっていません。
体のどこにあるの?
アワビの歯は貝の長さの3分の2くらいあります。こんなに長い歯を体のどこにしまっていると思いますか? 当然、口の中だと思いますよね。ほぼ正解です。なぜ『ほぼ』かと いうと口から胃の方まであるからです。人に例えるとなんと口からへそ位までの長さがあるということになります。
おまけ:貝殻の意外な効果
カキの貝殻に不思議な抗菌作用があるのを知っていますか? カキの表面の汚れを削り、水にとけやすくするために特殊な処理をして細かく砕いた貝殻をサラダ に練り込んだり、野菜を浸した水に溶かしたところ、食中毒を起こすサルモネラ菌やブドウ球菌を はじめ、さまざまな細菌の増殖をおさえる働きがあることが分かりました。 また、ホタテ貝の殻を混ぜた塗料を塗った壁は『シックハウス症候群』に有効という結果がでたそ うです。いつもゴミとして捨てられてきた貝殻にこんなよい働きがあるなんてオドロキですね。