清涼飲料水〈微糖と無糖〉~本当にお砂糖が少ないの?~

こんにちは 衛生士の井上です。

皆さん甘いものは好きですよね。普段から嗜好品として、ジュースや糖分が入った紅茶やコーヒーなどを飲まれている方も多いと思います。また、これからの暑い季節、炭酸飲料などを飲みたくなることも増えてくるのではないでしょうか。矯正中は特に、できるだけ甘い物を控える様にお話をしていますが、それなら『無糖』や『微糖』なら大丈夫。。。?と、思っている患者さんもいるようです。でも、実はその2つにもしっかりと糖分は含まれているんですよ。

食品に関する法律は、さまざまなものがあり、健康や栄養に関する食品の表示基準は、健康増進法で決められています。この栄養表示基準が、【無糖】や【微糖】の表示内容を決めています。『糖』は、三大栄養素の一つですが、大きく言うと炭水化物の中に含まれます。もう少し細かく説明すると、下の図のようにその性質によって分類されています。

『糖質ゼロ』と『糖類ゼロ』

図1

糖類>糖質>炭水化物の順で分類が大きくなっています。炭水化物は、食品の中の『糖』全てを表します。
図1を見ると分かる様に、糖質や糖類は、炭水化物に含まれます。また、『糖質ゼロ』の方が、『糖類ゼロ』より、糖の含有量が少ないということが分かります。
中でも糖類は、S.mutnans 菌(むし歯菌)によって代謝されるので、酸を誘発し、歯を脱灰する(虫歯を誘発する)力が強い食品です。

飲料水の裏側の、成文表示を見てみましょう。

図2

『無糖』や『微糖』は、強調表示と言って、その食品の中で、特別強調したい栄養成分がありますというお知らせです。その表示を行う場合には、以下のような基準を満たす事が必要です。実際には、本当にゼロというわけではありません。どのぐらいの糖が含まれているか次の「表1」で確認してみてください。

図3


無糖や微糖と表示されている中にも、実は糖分が含まれている可能性があります。低糖の場合は、500 ml のペットボトルの中に12.5ml 以下の糖分が含まれています。その量全部糖が含まれていたとすると、3 g のペットシュガー4.5 本分に相当します。普段、紅茶やコーヒーを飲む時に、ペットシュガーを皆さんは何本入れますか?たいていの方は、1~2本程度ではないでしょうか。そう考えると、微糖とはいえ、3 g のペットシュガーが4.5 本も入っているという事は、普通に飲む飲み物のお砂糖の量よりも相当多くのお砂糖が入っていると言えます。無糖の場合は、500 ml のペットボトルで2.5ml 以下になります。無糖なのに、実は『糖』が入っているということになります。これは、表示基準で決まっているため仕方がないのですが、無糖だから大丈夫と思わずに、摂取には慎重になる必要があります。

~ダラダラ飲むのは危険~(糖の量が少なくても同じです)

また、炭水化物は、その量だけではなく、どのような頻度で摂取しているかということも虫歯の発生に関係しています。たとえ、含有量は少なくても、砂糖入りの清涼飲料水を継続して摂取していれば、それは虫歯の原因となってしまうのです。つまり、無糖と表示されている『糖』の含有量が少ない飲み物であっても、喉が渇くたびに飲み続ければ、それが原因で虫歯を誘発する可能性もあるということが言えます。皆さんも、この数値を参考に清涼飲料水のとり方を考えてみてくださいね。 参考文献・資料:アサヒ飲料/SUNTORY/厚生労働省他