ウェルエイジングのために

こんにちは衛生士の赤田です。福増矯正歯科では、『患者様の健康の維持増進』を医院の診療理念の1つとして、唱っています。私は患者様が、今後もウェルネスでウェルエイジングになって頂く為の知識を提供できるように、昨年の12月に、健康予防管理専門士の資格を取りました。健康予防管理専門士とは、専門的知識を活かし、チームケアで環境づくり、体力づくり、生活づくりなどの観点から健康管理のアドバイスを行う資格です。今回は、そこで勉強したことと、現在の新しい予防の考え方を紹介したいと思います。

近年、“未病”の概念を普及させ、疾病を重症化させない対策が、重視されています。

厚生労働省では、21世紀国民健康運動「健康に本21」の中で「1次予防」の重要性を発表し、医療改正によりメタボリックシンドローム予防を中心とした教育、検診、特定保健指導がスタートしました。

「メタボリックシンドローム」って?

代謝性症候群「内蔵脂肪症候群」内蔵脂肪の蓄積によって、内臓脂肪型肥満を共通の要因として高血糖、脂質異常、高血圧が引き起こされる状態で、それぞれが重複した場合は命にかかわる病気(動脈硬化により心臓病や脳卒中)を招くこともあります 生活習慣病の「引き金」となっているメタボリックシンドロームの診断基準は、ウエスト周囲径が男性85㎝以上、女性90㎝以上にくわえて、脂質異常症、高血糖、高血圧のうち2つ以上該当するものを言います。食べ過ぎや運動不足など、悪い生活習慣の積み重ねが原因となって起こるため、生活習慣の改善によって、予防・改善できます。

「健康の定義(well-being)」って?

「健康とは、完全な肉体、精神的社会的福祉の状態であり、単に疾病または、病弱の存在しないことではない」

「ウェルネス」とは?

健康の定義(well-being)をさらに発展的にして全くの健康で輝くようにイキイキしている状態を言います。ウェルネスとは、栄養、健康、休養の調和をはかり健康づくりを行う事ですが、自分自身に適合した日常の行動様式と生活を変容しライフスタイルを築きより充実した生活を送る事をいいます。

「ウェルエイジング(well Aging)」って?

アンチエイジング「年齢を重ねることを否定し、加齢と戦う」ことではなく、「よりよく年齢を重ね、より充実した人生を送ること」というものです。

「1次予防」って何でしょう?

健康の段階的な予防の3つのレベル

1次予防(病気にならない予防)
→健康増進(食生活、適度な運動)特異的予防対策(予防接種)等のこと
2次予防(病気を見つける予防)
→病気の早期発見(健康診断、がん検診)早期治療のこと
3次予防(重傷化させない、死なせない)
→病気の再発防止、機能回復訓練(リハビリテーション)のこと

「ペリオデンタルメディスン」って?

歯科用語でもぺリオドンタルメディスンと言われる概念が定着してきました。お口に中の細菌が、全身への影響を及ぼすという臨床研究が数多く報告され、お口の中の健康と全身の健康の双方は、密接に関連していることが解明されてきています。

歯周病が全身に及ぼす影響

口の中にいる何百種類もいる細菌が体の中に入り込む事で、全身に様々な病気を引き起こしている事がわかってきました。

狭心症・心筋梗塞

歯周病原因菌の刺激により動脈硬化を誘導する物質が出て血管内にプラーク(粥状の脂肪性沈着物)が出来血液の通り道は細くなります。プラークが剥がれて血の塊が出来ると、血管が詰まり 狭心症、心筋梗塞 を招きます。

脳梗塞

脳の血管のプラークが 詰まったり、頸動脈や心臓から血の塊やプラークが飛んで来て脳血管が詰まる病気です。歯周病の人はそうでない人の2.8倍脳梗塞になり易いと言われています。

糖尿病

歯周病は、糖尿病の合併症の一つと言われてきました。実際、糖尿病の人はそうでない人に比べて歯肉炎や歯周炎に罹っている人が多いという疫学調査が報告されています。さらに最近、歯周病になると糖尿病の症状が悪化することが明らかになってきました。歯周病と糖尿病は、相互に悪影響を及ぼし合っていて歯周病治療で糖尿病も改善することも分かってきています。

お口の健康を維持する事は、全身の健康に繋がります。

多発むし歯は、糖質の過剰摂取、頻回摂取が関係します。むし歯予防のため糖質コントロールすることは→血糖上昇のコントロール→高血糖の予防→Ⅱ型糖尿病の予防や血管内皮細胞を傷つけないことになります。
歯周病は、歯周病菌が歯周組織の血管を劣化させ、微少循環障害を起こします。→血管疾患→慢性炎症→血管内皮炎→動脈硬化につながるので、歯周治療予防をすることで、血管を守ることになります。

今までの予防歯科では、口の中の疾患として、むし歯や歯周病をとらえていたために、予防処置としてプロフェッショナルクリーニングや歯石除去、フッ素塗布、3DSなどを口腔に対して主に行ってきました。最近では、むし歯や歯周病を単に口の中の疾患ととらえずに予防を行う事(適切な食事行動や生活習慣の指導:口腔ケア、運動や休息)が、むし歯や歯周病だけでなく肥満、高血圧、Ⅱ型糖尿病、脂質代謝異常、冠状動脈性心臓病、内蔵脂肪症候群など全身疾患や生活習慣病の予防となることがわかってきました。

お口は、コミュニケーション、食事、呼吸に携わる大切な器官です。 お口を大切にする事が、全身の健康増進と加齢予防となり“未病”につながることを知って頂き、美しい歯列と咀嚼機能の回復だけにとどまらず、ウェルエイジング健康でイキイキした生活を送っていただきたいと思います。

*ウェルエイジング*健やかに年齢を重ねるのためのポイント
よく嚙み(姿勢正し、一口25回以上む)、正しく食べ(規則正しく、腹6分目,抗酸化食材を取り入れて)、しっかりケア(お口を清潔に)、適度な運動( お口も体も 機能をしっかり使って)十分な睡眠と早起き(しっかり休養 副交感神経優位の生き方に)