「一浩と栄里子のあたしんち」第70回 「Corona 効果」
COVID-19は5000万人以上が感染し、100万人以上の死者をだすという未曾有の感染症です。この感染症のせいで世の中が大きく変わりました。皆マスクをするようになり、インフルエンザの感染予防にも一役かっているようです。
三密をさける意味で大きな会合がなくなり、学会もWeb開催になり、地方に行く楽しみがなくなりましたが、好きな時にWEB公演が聞け、何度でも再現できるのも大きな利点でもあります。小さな会合もWeb会議になりました。私は矯正医会の全国の理事を長くやっていました。全国から集まる理事会は交通費だけでも多額になり、運営費がかかります。何年も前からWeb会議にすることを訴えてきましたが、なかなか実現しませんでしたが、ある意味Coronaのおかげで実現できて嬉しく思っています。Web会議で気づいたのですが、雑談がほぼなくなるので、同じ長さの議案書でも50%~75%の時間しかかからず、テンポよく議事が進みます。
さて当院では、どのような変化があったでしょうか? 当院でも患者さんの付添いの人数を制限したり、症状の問診、マスク着用、検温、手指消毒を行い、感染防止に取り組んでおります。ニュースを聞いている限り歯科でのクラスターは聞いたことありません、その理由としてCorona流行前から歯科では、スタンダードプリコーションと言って、B型肝炎等の唾液を介在する感染症予防のシステムが出来上がっているからだと思います。それでも油断はできないので日々、気を緩めず感染予防に努めています。そして、矯正診療はリモートで行うことは難しいですが、この機会に当院でもInternetを活用を進めたので、紹介したいと思います。
1.福増矯正歯科の公式LINEを作りました。患者さんにLINE登録してもらい、遠隔でも解り易いコミュニケーションが取れるようにしています。
装置が壊れた時や気になることがある場合は、LINEで写真を送ってもらって対処方法のアドバイスをしたり、経過観察などで確認のみで済むような場合は、歯並びの写真をLINEで送ってもらってオンライン検診を行い、来院回数を減らす努力をしています。
2.LINEのおかげで中高生の患者さんや保護者の方それぞれに連絡がとりやすくなりました。患者さんからも質問がしやすくなったり、保護者の方への説明などコミュニケーションがとりやすくなったと思います。
3.矯正教室をZoomというWeb会議で行なっています。今までは1階の会議室で矯正教室を行なっていましたが、Web会議で行い自宅から出ることがなく、矯正相談ができるようにしました。
4.学生さんの診断は保護者の同伴が必要ですが、親が遠方の場合、来院が難しい場合があります。希望があれば保護者の方がWeb会議で診断に参加できるようにしています。
5.診断以外でも、保護者の方に来院してもらいたい場面では、これからは積極的にWeb会議を利用したいと考えています。
6.過去に当院に勤務し、現在も矯正歯科医として活躍している先生が5名ほどおりますが、その先生たちとWeb症例検討会を開き、診断で悩んでいる症例などの勉強会を開いております。
Coronaは早く収束してもらいたいですが、おかげで我々の社会環境、生活も進歩した部分も多少はあるかと思います。
院長 福増一浩