舌を鍛えて睡眠障害を改善しよう!

以前の「ふくふく便り」で睡眠時無呼吸症候群について紹介させていただきました。
今回は、その睡眠障害を改善させる簡便な方法を見つけたので、その方法を紹介したいと思います。とても簡単なので、皆さんも試してみてください!

睡眠呼吸障害が起きる原因

睡眠障害が起こる要因にはさまざまなものがありますが、何らかの形で口呼吸や舌の機能低下が関連しています。主なものを紹介します。

  1. 鼻閉(びへい)
  2. 鼻腔が狭くなっていたり、鼻炎などで鼻閉になっていると口呼吸が習慣化し、舌を上げる力が弱まり、睡眠時に舌がのどに落ちてイビキの原因になったり、気道が閉塞しやすくなります。

  3. 肥満
  4. 舌は多くが筋肉ですが、舌先は脂肪でできています。このため肥満の人、舌の動きが悪い人は舌にも脂肪がつき、大きい舌や首の肥満により気道が狭くなってしまいます。

  5. 小さな顎
  6. 下あごや上あごが小さいと舌の置き場が狭くなり、寝ている時に舌がのどの奥に下がりやすくなるため、気道が閉塞しやすくなります。

  7. 扁桃肥大(へんとうひだい)
  8. 咽頭扁桃(いんとうへんとう)などに肥大があると、肥大した組織がのどを狭めるため、気道が狭くなります。

  9. 睡眠時の姿勢
  10. 口を大きく開いた状態や、頭が後ろにそりかえると顎が開き、舌が後退するので気道を狭めます。

うつぶせ寝、横向き寝が顔のゆがみと口呼吸の原因になる

「うつぶせ寝」や一方にだけ偏った「横向き寝」を習慣にしていると、口呼吸を引き起こしやすくなります。なぜなら、このような寝方は顔面が圧迫されるため、鼻腔が狭くなってしまいます。
また、逆に口呼吸の習慣があるから舌が気道の邪魔をしない、口呼吸がしやすい「うつ伏せ寝や横向き寝」になってしまうとも言えます。
毎日ずっと片方の顔面ばかりに圧力をかけていると、しだいに顔がゆがんで顎のズレや歯列の狭窄を生じ、歯並びも悪くなってしまいます。成長と共に歯列や顎のずれも大きくなっていくので、中高生で気づいた時には、骨格的なずれはかなり大きくなっていることが多いです。

顔に圧力がかからない仰向けが、私たちにとってもっとも自然で楽な寝方です。
そのためには、睡眠時に口呼吸にならないようにすることが重要なのです。

睡眠障害の改善、予防は舌を上あごに密着させることから始まる

舌の機能低下が口呼吸の引き金となっています。では、どうすれば口呼吸をやめられるかといえば、それは舌を鍛え、口唇閉鎖することにつきます。舌を健康な状態に取り戻すことで自然に口呼吸がなくなり、鼻呼吸に移行していきます。

舌を上あごに密着させることができない場合には、以下のトレーニングを行ってみましょう。今回は、メジャーな2つの方法を紹介します。

舌のトレーニング N0.1:「あいうべ体操」

基本の「あいうべ体操」
これは口呼吸を鼻呼吸に改善していく目的で広く用いられているトレーニング方法です。

方法

  1. 「あー」と口を大きく開く
  2. 顔中、口だらけにするイメージです

  3. 「いー」と口を大きく横に広げる
  4. 首の胸鎖乳突筋が見えるように行います。

  5. 「うー」と口を強く前に突き出す
  6. 口をすぼめて前に突き出すイメージです。

  7. 「ベー」と舌を突き出して下に伸ばす
  8. 可能であれば舌を正面にまっすぐ、棒状に伸ばしましょう。

①〜④を1セットとし、1日30セットを目安に毎日続けます。


舌のトレーニング N0.2:「パタカラ体操」

「あいうべ体操」を行うと口や舌が少し疲れてしまう人には「パタカラ体操」をお勧めです。

  1. 「パ」 しっかり口を閉じてから発音する
  2. 「タ」 舌を上あごにくっつけて発音する
  3. 「カ」 のどの奥を閉じて発音する
  4. 「ラ」 舌を丸め、舌先を上あごの裏側につけて発音する

「パパパパ」、「タタタタ」、「カカカカ」、「ララララ」の順で10回ずつ発音します。5回繰り返しやってみましょう。

トレーニングは毎日続けることが大切です。継続しているうちに少しづつ舌力がアップし、舌の位置が改善していきます。睡眠呼吸障害だけでなくお子さんの口腔機能の改善も期待できるので、日々の習慣にしましょう!