歯と顎の成長
歯はいつごろ出来るの??
ヒトでは、妊娠3ヶ月くらいまでに全身の各器官がつくられ、その後は成長発育に移ります。そのなかで乳歯は、妊娠7〜10週ごろからつくられはじめ、生後1ヶ月半〜11ヶ月ごろには口腔内に萌出する部分が完成します。そして生後6ヶ月〜2歳の間に、順番に口腔内にはえてきます。
永久歯の場合、第一大臼歯(6歳臼歯)は妊娠3ヶ月ごろから、第3大臼歯(親知らず)でも生後3ヶ月半ごろからすでにつくられ始めます。
【 歯の成長経過 】
左の図は、歯の芽ができてから乳歯、さらには永久歯へと交換していくことを示しています。
歯のはえる順番
ヒトの歯の中で一番最初に生えるのは、下顎の乳中切歯(一番前の歯)で、生後8〜9ヶ月ごろから生え始めます。多少の個人差はありますが、2歳5〜6ヶ月ごろに20本の乳歯がはえそろいます。
6歳ごろになると、乳歯は順番に抜けて、かわりの永久歯がはえてきます。また第二乳臼歯(一番奥の乳臼歯)のさらに奥からは、第一大臼歯(6歳臼歯)がはえてきます。第3大臼歯(親知らず)をのぞけば、12〜13歳ごろに28本の永久歯がはえそろいます
歯の新築現場をのぞいてみましょう!
乳歯は大人の咬合力に耐えるには弱いので、頑丈な永久歯への新築が必要となります。そのためには乳歯を取り壊していかなくてはなりません。このときパワーショベルやブルトーザーのような役目をするのが破歯細胞という細胞で、乳歯を歯根の先端から壊していきます。乳歯はどんどん吸収されて、最後に頭だけになると、自然に脱落してゆくわけです。下図は萠出途中の歯のパノラマX線写真。
歯の大きさ、顎の大きさ
【 乳歯列と永久歯列の大きさの違い 】
乳歯列と永久歯列ではこんなに大きさが違います。永久歯が十分に並ぶためには、上下のアゴにも十分な大きさが必要です。
乳歯列の完成後、5〜6 歳ごろになっても乳歯と乳歯の間にすき間がまったく無いような人は、将来永久歯列において、叢生などの不正咬合になりやすいと考えられます。
頭蓋部は10歳までに96%の成長をとげ、上顎と下顎は65%程度の成長をとげます。
その後、上顎は下顎にくらべて早く完成します。
上顎に比べて下顎は全身(身長) と呼応して思春期性最大成長期に大きく成長します。
矯正治療では、成長期の子どもの患者さんに対して、アゴの成長をコントロールしたり、成長をうまく利用するような治療を行うことができます。