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ふくふく便り

矯正治療と管楽器の演奏

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学校のクラブ活動や趣味で楽器を演奏している方は、患者さんの中にもたくさんいます。その人たちからよく聞かれるのが、「管楽器を吹いていて治療に影響はないの?」「矯正治療を始めると楽器が吹けなくなる?」などの質問です。今回は管楽器のマウスピースと歯との関係についてまとめてみました。興味がある方はぜひ参考にしてみてください。

マウスピースによる分類

マウスピースによって唇や歯への影響は違ってきます

シングルリード クラリネット・サキソフォンなど

シングルリード


マウスピースにつけた1枚のリードを振動させて音を出します。
上の前歯でマウスピースをささえ、上唇をかぶせます。下唇はまるめてリードにあてます。特にクラリネットの場合、マウスピースは上の前歯を唇側(外側) へ押すので上顎前突や開咬の治療には障害になる可能性があります。
クラリネットに比べると、サックスの方が上の前歯への負担は少ないようです。

ダブルリード オーボエ・ファゴットなど

ダブルリード


うすい2枚のリードを振動させることで音を出します。上下の唇を巻き込んでリードに息をいれます。このとき、歯はリードに触れませんが、上下唇 しっかりと閉じるので口輪筋が鍛えられます。口輪筋の力強い人は、口元のバランスがきれいです。管楽器は口唇のトレーニングとしても有効だと想います。

リップリード(カップ型マウスピース)トランペット・トロンボーン・ホルン・チューバなど

リップリード

上下の唇にマウスピースをあて、息で唇を振動させて音を出します。上下の歯は軽く開けておきます。前歯はマウスピースで舌側(内側)へ圧迫されます。マウ スピースを唇に圧迫させるので長時間の演奏は血行障害(バテ)が起こります。楽器によってマウスピースのサイズがちがい、大きい方が歯や唇への負担が少な いようです。前歯の歯並びや咬み合わせによっても吹きやすさがちがってきます。

エアリード(穴のあいた頭部管) フルート・ピッコロ・リコーダーなど

エアリード


頭部管に息を入れて音を出します。下唇は頭部管のへこみに当てて、上唇を下方にのばして息を吹きこみます。他の楽器に比べて、歯への口唇圧は小さいので歯への口唇圧は小さいので歯への負担は少ないようです。

どの楽器にも理想的なフォーム(アンブシュア)があります。しかしどの楽器でも、吹く人の歯並びや唇の力には個人差があるので、演奏時の歯や唇や顎の位置(アンブシュア)は人それぞれ違います。同じ楽器でも音がちがうのは演奏する人の口腔に個性があるからです。

矯正治療への影響は?

クラブ活動で一日3〜4時間程度の演奏であれば 矯正治療への影響は少ないと思います。でも、毎 日長時間の演奏をするようであれば矯正治療に影 響する場合があります。歯並びにもよりますが、 管楽器によっては悪い歯並びによい影響を与え、 治療を助けることも考えられます。反対に、管楽 器によっては治療期間を長引かせたり、治療後の 後戻りがしやすくなるかもしれません。

演奏への影響は?

矯正装置が入ったときは一時的に音が出しにくくなったり、痛みを感じたりするかもしれませんが、矯正装置で吹けなくなることはありません。歯並びが 悪かったり、唇の力が弱いと血行障害をおこし、疲労しやすくなります。矯正治療を始めるのであれば、大会や演奏会前は避けるなど、時期を選ぶといいでしょう。

痛みについて

矯正治療中の歯が動く痛みは、楽器を吹いている ときも同じです。楽器によっては装置が唇にあたっ て痛むことがあるかもしれません。ブラケットが 唇にあたって気になるようであれば、ゴムリング でカバーしたり、「コンフォートカバー」「キッサブルカバー」「ホワイトワックス」など装置を カバーして唇の痛みをやわらげる商品もあります。

虫歯は治して歯磨きは万全に!

歯を守るためにも、虫歯治療は早めに、そして演奏前には丁寧な歯磨きを心がけましょう。丁寧な歯磨きは楽器を衛生的にし、長持ちさせます。

よりよい演奏のために ・・・

口腔筋機能療法 (MFT) を行うと、口唇、舌など お口のまわりの筋肉の調和がとれて歯並びだけではなく、楽器の演奏にもよい影響を与えます。

患者さんの体験談

保定治療中の高校生(トランペット)H.T.さん
私は中学校ではホルン・ 高校ではトランペットを吹いています。装置をつけたのは中学の時で、やっぱり「吹けなくなるんじゃないか 」とか「口が痛くならないかな」という不安はありました。でも、いざ吹いてみると慣れないうちは少し痛みがあったけれど、今まで通りの演奏ができました!!今はリテーナーでトランペットを吹いていますが、全然支障はありません。逆に、歯並びがよくなって吹きやすくなった気がします☆
矯正治療中の中学生(ファゴット)Y.H.さん
私は今、吹奏楽部に入っていて、ファゴットという楽器を吹いています。楽器にもなれないうちに、矯正の装置が入るのには、抵抗がありました。しかし、実際入ってしまえば、3〜4日で矯正の痛みは消え、楽器を吹いても、痛みが増すことはありませんでした。私の他にもフルート、オーボエ、トランペット、チューバ、サックス、クラリネットを吹いていて、矯正をしている人もいますが、みんな毎日楽しく楽器を吹いています。それにみんなとても上手です。前の私のように楽器と矯正について悩んでいる人がいるならこの事実で不安がなくなるといいなと思います。

歯科衛生士大宮の体験談

中学校・ 高校 の吹奏楽部でクラリネットを吹いていました。 コンクールや演奏会にむけ、必死になって練習したのはもう数年前になりますが、 今でも忘れられない思い出になっています。このとき私は矯正治療中で、矯正装置をつけての楽器の演奏は、治療にも演奏にも負担では?と考えていました。そのときの 体験や、現在、歯科衛生士として矯正歯科医院に勤務して得られた 知識を、患者さんのために少しでも役立てられたらと思っています。

管楽器の演奏と歯並びや、矯正治療について心配な方は、遠慮なくご相談下さい。 また、管楽器を演奏している皆さん、ご意見や、感想、体験談を聞かせてくださ い。皆さんのご意見や質問、体験談は私たちスタッフの知識向上はもちろん、 後輩患者さん達への頼もしい応援になります。お話は口頭でも、ふくふくボック スへの投稿でもかまいません。お待ちしています!!!。

こちらの文章を読んで気になった方は、ぜひお問い合わせください。

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