姿勢が歯並びに影響する事をご存知ですか?

矯正治療でなせ歯が動くか知っていますか?答えは、骨は持続的な力が加わるとわずか5gほどの弱い 力でも、破骨細胞・造骨細胞の働きで骨に添加と吸収を起こさせ、歯槽骨の形態を変え、 歯の位置を移動します。ですから、歯列に長時間悪い方向の力をかけていれば、 歯列は悪い形へ変形していきます。 じつは、その悪い力が生活習慣になっている姿勢や癖である場合があります。 【癖】によって歯が動く力は矯正治療の数倍になるとも言われています。 矯正治療を成功させ、後戻りをおこさせないためにも、 悪い癖がないかどうか確かめ、治していきましょう。

日常生活の中で無意識に行っている些細な姿勢でも、長期に及ぶと歯を移動させ、歯列や下顎の位置を変え、 顎顔面だけでなく、全身に大きな影響を及ぼす事があります。このような顎や口腔に悪影響を及ぼす姿勢の 習癖を【態癖】といいます。睡眠時の姿勢や頬杖・重いショルダーバックを片方で持つこと・体操座りで膝 の上に顎をのせるなどの行為はすべて【態癖】です。これらの習癖が毎日長時間に及ぶと、本来持っている 成長を妨げたり、歯列を変形させ、顎顔面の非対称を作ってしまう場合があります。

「態癖」がないかどうか、チェックしてみましょう。

◇どんな姿勢で寝ていますか? うつ伏せ寝や横向き寝をしていませんか?

治療経過

人間の頭の重さは成人で5kg前後あります。うつ伏せ寝や横向き寝などで奥歯にかかる側方力はおよそ30〜200g。つまり8時間睡眠とすると、1日の1/3時間もの間、歯が動き始める力の数十倍もの力が加わっていることになります。当然、歯は移動し歯列は変形していきます。

どうしても横向き寝になってしまうときは、
:布団にくるまって寝ないこと。睡眠姿勢を固定してしまいます。
:枕を下あごに当てて、一方向にあごを押し込まないこと。
:いつも同じ方向で寝ないこと等を、注意しましょう。

睡眠時の姿勢について

ヒトの骨格は本来、仰向けで寝るように進化・成長しています。赤ちゃんのころからうつ伏せで寝る習慣を続けてると、歯列や顎顔面の骨のゆがみ以外にも、全身の骨格がうつ伏せ寝に合わせた形に歪みます。うつ伏せ寝は首を横に曲げないと息ができないため、背骨がねじれた形に変形しやすく、その歪みは肩や腰など、全身の骨に影響を及ぼします。顎が押されるため顎関節に負担をかけ、顎関節症状の誘因になります。また首を曲げたり胸を圧迫するため吸気抵抗が増し口呼吸になりやすく、口呼吸は扁桃肥大や免疫機能の低下を起こし、歯列不正の原因にもなります。健康のためにも良い姿勢で寝るようにしましょう。

こんな癖はありませんか??

頬杖をついていませんか?

左右の頬杖は上下の咬みあわせを深くさせます。また左右の顎関節を後上方に押し込み、歯列を狭くします。

◇体操座りで、ひざに顎をのせていませんか?

体操座りで膝の上に顎をのせる姿勢は、咬みあわせを深くします。

口周りの癖はありませんか?

舌を出す癖や挟む癖、くちびるを咬む癖、巻き込む癖などは咬みあわせを悪くします。また舌の位置も歯列の安定に影響を及ぼします、舌は上あごに付けておきましょう。

他にもこんな態癖はありませんか? 

高い枕やソファーのひじ掛けに頭をかけて、読書やテレビを見るのも【態癖】です。

《ウォルフの法則》を知っていますか?

「骨はその動きに最も適した形に変化する」という法則です。
体の骨の形は使い方に従って変わるものとされています。例えば、手術をしても、解剖図のような元の形には戻りません。偏った使い方で変形した体にとって、使いやすいように骨の形や位置が変わっていくのです。骨だけでなく、関節から筋肉まで、あらゆる器官は変形していきます。つまり、ヒトの体は
遺伝でもらっている形とは別に、トレーニングや教育によってかなりの部分は変形が可能だということです。つまり、悪くすることも可能であり、治していくことも可能だということです。

身体にとって良くない力である【態癖】を取り除くと、生体は治癒力によって、変形させられていた部分が元に戻ろうとする働きをします。【態癖】は生活習慣による習癖であり、後からコントロールが可能です。【態癖】の影響を理解し、習慣となっている悪い姿勢や癖があればやめるように努力してみましょう。